イニシエーションラブ
もともと原作を読んでいたイニシエーションラブ。
恋愛小説の皮をかぶったミステリーってことで結構話題にはなっている作品(ゆいこ主観)
それが映画化されると聞いて「ほんとに?!できるの?!」となったのがもうこんなに昔のことだったなんて…
映像化は絶対できないと言われていたこの小説、いったいどうやって切り抜けたんだと当時から気になっていたものの、やっと観ることができた。
「映画化できないよシリーズ」としてハサミ男もあって、そっちはいまだに観てないんだよね…あれはどうやって処理してるんだろう。
時は1980年代、静岡で起きた恋物語と、東京に彼氏が転勤になったことによる悲劇…うん、悲劇で合っているはずだ。
物語はA-Side、B-Sideと2部構成で進んでいくけど、すでにこの作りが若い人には通じないんだよ!
私はギリギリ通じる世代…カセットテープを使ってた否かが、この映画を楽しめる分かれ目になるんじゃないかな。
残念ながら使われている楽曲に関してはさすがにわからないので(私は産まれたばかりのころのお話)ちょっとそこは悔しい。
楽曲も作品の内容にリンクしたものが使われております。
心配していた映像化が絶対できないと思われていた部分の処理。
「そうきたか!」って感じで。
自然な流れで映像をつなぐことで「ん?」って感じる部分をカバーしている。
いや、有り得ないから、と言われれば一発でバレる仕掛けではあるんだけど、不思議と納得できるような作りになってる。
だって「恋のために男はがんばる」んだから。
映像の中で大胆に映り込んで来るミスリードは過剰なギャグとか演出で目立たないようになっている。
繭子(前田敦子)のSide-Aの演技は過剰すぎて逆に怪しかったんじゃないかな、と思ったけど(^^;
既読者から見ると「ここの処理をこうするのか!」って感じになるのでニヤニヤが止まらない。初見だとどう見えてるのかわからないのが逆に悔しい(笑)
そして最後。
原作だと「ラスト2秒の衝撃」の更に後が描かれて、さらには解説までばっちりしてくれる。
ラストシーンの繭子の笑顔、たまらないね!(笑)
これが蛇足だ、という意見も観たけど、「2回観たくなる映画」と銘打ってるとはいえ実際2回観る人はそういないし、それならいっそ懇切丁寧に解説して「あの最後なんだったの?よくわからなかったよね」となるのを避けたのではないかな。
Side-AとBの比較が盛り込まれた5分、私は楽しみました。