medium 霊媒探偵城塚翡翠/相沢 沙呼
本屋大賞にエントリされてるのとなんだか屍人荘の殺人と一緒に推されている感じがしたので気になってたのを、kindle版のセール時に購入。
主人公の推理作家、香月史郎が霊媒師城塚翡翠と出会って、彼女が視た「真実」と、香月の推理力を組み合わせて事件に立ち向かっていくお話。
合間に差しはさまれる視点の連続殺人鬼がラスボス。
翡翠が非常にかわいらしく描写されていて、香月との仲も進展していって…
そんな中、殺人鬼が翡翠に狙いを定める。
翡翠は無事に生き残ることができるのだろうか…？
推理パート（って言っていいのかな、事件があって、それを推理して、と続く章）を読み進めて行って、最終章。
ページをめくる手がとまらなくなる。
これ、多分ミステリ読みなれてる人は殺人鬼の正体には気づけると思うんだよね。
論理的にわからなくても「こういう流れでしょう」って読めるパターン。
翡翠は殺人鬼に狙われていて、その殺人鬼と相対してからがこの物語の真骨頂。
このやりとりが痛快で、読み終わった後すぐに最終章だけ読み返してしまった。
この物語は「霊媒探偵城塚翡翠」であって「推理作家探偵香月史郎」ではない。
彼女は主人公であって探偵助手ではない。
あと、描写される翡翠と、表紙絵の印象が違うな、とは思ってはいたんだ…
翡翠が魅力的なので続編があったら良いな、と思うけどあの最終章の明かし方で面白さが増してるお話だと思うのでどうなんだろうなあ。
あとこれメディアミックスすると面白いかなーと感じつつ、その場合描写をどこまでフェアにするかって言う印象があるので見てみたいような、やめて欲しいような…
良い物語が読めました。
