色づく世界の明日から

 きれいなアニメだった。

キミノイクベキトコロ

キミノイクベキトコロ

  • メディア: Prime Video
 

 友達に「世界観が好きそうだから」と勧められて視聴開始。

いや、わかってるな、友達。

 

さいころから色が見えない魔法使い(瞳美)が祖母(琥珀)に60年前の世界に送られる。

2018年、長崎。

祖母が高校生の時代で瞳美は人と関係を結ぶこと、魔法のこと、写真のこと、恋をすることを知っていく。

 

ストーリーの展開としてはわかりやすく、先読みしやすいものだと思う。

強いて言えば三角関係のあたり…がハラハラする展開だったかと思うけど、将は負け戦を承知で瞳美に思いを伝えたし、あさぎは将の気持ちを慰めながら、自分の思いを今は閉じ込めておく。

あさぎ、瞳美のこと受け入れられて、良い子…!

ここで揉める尺がなかったのもあるのではないかと邪推してしまった(笑)

 

最後も未来に戻らない、という選択肢は見えなかったからあとは別れをどう演出するのかな、という。

瞳美が未来に戻ってからのお墓参りは唯翔のお墓、というのが私の結論。

お母さんか唯翔だとは思っていて(魔法美術写真部のメンバー、もあるけど、申し訳ないけど他の人でわざわざお墓参りの描写はいれないかな、と思うので)、そのどちらかなら、戻った未来でお母さんにきちんと再会していて欲しいな、と私は思った。

そこで少しでもお母さんと親子の時間を過ごしていてくれたら良いな。

 

 

ストーリーがわかりやすい分、印象に残ったのは画面の美しさ。

色がわからない瞳美の視界が、モノクロで差し込まれる。

唯一色を感じることのできる唯翔の絵が色鮮やかに描かれる。

特に初めて絵を観たときの色鮮やかさは、そのまま瞳美が感じた色が見えることへの驚きを映し出していた。

瞳美と唯翔が向き合うシーンの色味を抑えた、2人の中間を表す色。

雨に濡れたバスのガラス窓の滲み。

 

あと、次回予告の一枚絵がモノクロからカラーになっていって、それが瞳美の世界の広がりを感じさせる演出になっていて見入ってしまった。

 

タイトルその通りの色づく世界が表現されている作品だった。

私にとってはストーリーよりも演出や作画が印象に残る珍しい体験となった。

(もちろん話がつまらなかった、という意味じゃないよ!つまらなかったらそもそも視聴を切るよ!)