絶深海のソラリスⅠ&Ⅱ/らるきち

前にkindleセールでやってて、ふと気になったので事前知識ないまま購入したのは結構前で何回か読み返している。

海に大半が沈んだ世界で、「ソラリス」と言う「生きた鉱物」を体内に取り込むことで生まれた「水使い」
水使いを育成するアカデミーの教師となった山城ミナトと、可愛い生徒たちの学園もの…に読めるんだよ、最初は。
ミナトが担当するクロエ(ツンデレ)とナツカ(幼馴染落ちこぼれ天然)のコンビも微笑ましく見守って、楽しい教官や、他の魅力ある生徒も加わっての楽しい遠征…のはずが。

突然始まる深海生物(人工)に襲われるパニックものに変貌。
謎の施設、謎の生物、対抗手段は「水使い」の能力のみ。
それぞれが能力を活かしてどうにか対抗するも、相手は殺戮に特化した生物。
絶体絶命!な一巻。

何か辛いって、「どうにもならなかった」ことなんだよなぁ。
ミナトの判断が裏目裏目に出て誰も救われなくなっていく。
そんな感じで終わってしまう一巻。

今だから連続して読めるけど、二巻が出るかもわからなかった時期、相当しんどかったのではないかしら。

そして始まる二巻。
クロエの姉、シャロンや銃器の扱いがめちゃくちゃうまいウルスラ、謎の多いコマキにごつい軍事JDと、メンバーは一新。
今度は謎の生物を生み出した組織に戦いを挑むミナトたち、なストーリー。

今回も中盤までは絶望を感じさせる展開。
圧倒的な生物の前に水使いは一矢も報いられないのか…
からの展開!
熱い!
もうだめだ!って思ってからの持ちあげてくる運びがすごく良くて。

すごくすっきりするラスト。
ここでちゃんと区切りもついてるけど、ミナトたちの戦いもまた読んでみたい、と思わせる〆でした。

ただ、作者が2015年のTwitter、ブログの更新を最後に音沙汰なさそうなので続刊は見込めないのがなー。
イラストも可愛いので、読んでみて良かったシリーズでした。