リピート/乾くるみ

過去に読んだ記憶はあるものの、ストーリーの詳細もあまり覚えておらず、途中で挫折したような気がする「リピート」。
2017冬ドラマとして面白く全話見た。
10か月前に戻ったリピーターはなぜ死んでしまうのか。
鮎美と毛利が最初のお互いの印象に反して惹かれ合い、結ばれたものの由子を殺してしまう障害。
最後にリピートをするものの、戻れたのは生き残った鮎美だけ。毛利は愛し合った「毛利」ではない切なさ。
ドラマでは鮎美を主人公として、戻れたからこその命の尊さとか、力を悪用することの卑劣さとかを描いてたのかな。
運命を切り開くものとして立ち向かっていく強さとか。
最後、自分の命が危なくなるとわかりながら、トラック事故から幼稚園児たちを守ろうとする鮎美にはぐっときた。

ぐっときたのだけど…絶対、原作こんな話運びじゃなかったよね、と言う気持ちがぬぐえないまま最終回。

全部観きってから、原作を再読。

この原作からよくこの切なさの残るラストシーンを作ったな!

戻れるのは10か月。
鮎美と毛利は恋人同士になる。
由子は死んでしまう。
犯人は「運命」。

これくらいしかベースにしたものないんじゃないかなほんと。
原作は大学生毛利が主人公。
鮎美もドラマよりも積極的(恋愛要素に対して。坪井君に説教するような人ではない)

どちらかと言うとリピートするまでの「人はリピートできるとしたら何をするのか」と言う部分がメインテーマだったように感じた。
運命の修復力に負けてしまった毛利に対して、リピート後の運命を切り開こうとしたドラマ鮎美が対象的だったな、と。
ドラマ鮎美もあの直後すぐ死んじゃうかもしれないけど(笑)

原作をあんまり覚えてなかったから、ドラマも楽しく見られたのでこれはケガの功名だったかも。
原作覚えてたらハマりきれなかったかも。

ドラマの方「衝撃のどんでん返し!」って煽ってたけどどの辺りがどんでん返しだったのか最後までわからんかった。ストーリーとしては真っ当な展開だったと思うんだけど。
犯人が「運命」ってところ…?