最悪なる災厄人間に捧ぐ

出産前最後にクリアしたゲーム。途中まで書いてたので追記して投稿。

 
レイジングループのケムコの最新作!っていうので買った人が多い模様。
私もその一人なわけだが。
 
人間(自分も含む、動物も含む)がすべて「透明人間」としてしか受け取れない豹馬と、
周りの人間から視認されない(ただし、豹馬は視認・会話することができる)クロのお話。
 
2人が出会ってから、序盤で平衡世界への扉がつながり、クロだけ5人に増えてしまう。
最初はどのクロも見た目、喋り方、性格が同じで「どう見分けるんだ…」となってしまうけど、それぞれのクロが次第に個性を得て喋り方だけでどの世界のクロかわかるようになる。
これは声優さんの演技がうまかったなぁ。そしてクロは悲惨な状況に遭うことが多くて、悲鳴のシーンが多いので辛かった…
 
豹馬は豹馬を恨む謎の「幽霊」の呪いを受けて、「クロの死」をきっかけに世界に災厄を振りまく「災厄人間」となってしまい、18歳の誕生日を超えることができない。
解決方法は自殺することだけ…って、これだけ見るとセカイ系の香りがする、というかセカイ系だ。
豹馬はループを繰り返しながら、時には自殺して他平衡世界の豹馬に意識を繋ぎながらクロを(世界を)救うことを目指すんだけど…
豹馬の弱さ、クロの生い立ちの辛さをいくら解決しても最後には災厄人間になってしまう。
 
クロが5人いるので、序盤は失敗するんだろうなってメタ目線で見てしまったので自分の辛いところ…あとテキストがめちゃくちゃ長いので、重複する描写も多くて中盤は結構読み疲れてしまった。
 
クロの中ではやっぱり「なつ」が一番印象深くて。多分他のプレイヤーもそうだと思う。
一番わがままで、一番豹馬のことしか考えてなくて、一番他のことの興味がなさそうな彼女が2人の関係を「いびつ」だと判断したのが意外だった。
お互いをお互いしか認識できないから、関係が共依存的にべったりになっていくのは私もどうかなー、危なっかしいなーと思いながら読んでたので。
 
終盤は幽霊の正体がわかり、豹馬はクロとの関係を「リセット」することで物語は閉じる。
からの追加シナリオ。
今度は幽霊からの視点で、物語を追っていく。
豹馬が最後の決断をした裏で他に何が起こっていたのか、幽霊が何を思っていたのか。
これを読んだらぼろぼろ泣けてしまった。
これはメリーバットエンド、になるのかな。
多分プレイヤーからはこういう結末を望まれていなかった。
それでも豹馬が選んだセカイなんだんぁ、という。
 
 
 
テキストが本当長いので一気にやると疲れるかも。
クロのかわいさ前振りゲームなので、クロのキャラクターを愛せるかどうかにかかっている。
途中の虐待・いじめ描写がかなり陰惨なので、耐えられるかどうか(シナリオの根幹にも関わってくる)
このあたりが人に勧めるにあたっての注意点かしら…
 
私は2人のお話として、楽しみました。
 
レイジングループとは全く別のお話、念のため。